英語習得における臨界期仮説とは?年齢要因や年齢限界などをわかりやすく解説

英語習得の臨界期仮説について、このような悩みや疑問はありませんか?

「英語習得には年齢限界はありますか?」
「英語を学ぶのに年齢要因はありますか?」
「臨界期仮説とはなんですか?」

英語を学ぶときに「年齢」によって難しいと考える方も多いですが、実際のところ年齢によって学びやすさや学びにくさはあるのでしょうか。

実は、言語習得においては「臨界期仮説」と呼ばれるものがあり、ある一定の年齢をすぎると言語習得ができないと言われているのですが、それは本当なのか気になっている方も多いと思います。

そこで本記事では、英語習得の年齢限界や臨界期仮説、年齢要因などについて詳しく解説します。

目次

英語を習得するのに年齢の限界はある?

ここでは、英語習得の年齢限界について、年齢要因や論文のグラフなどについて紹介します。

①英語習得の年齢要因は論文によって異なる

「英語習得を何歳から始めるべきか」という議論は多くの学者によって研究されていますが、現在に至るまで明確な年齢要因については定まっていません。

例えば、アメリカで行われた研究では「言語習得能力は17歳まで変わらない」という結果が出ていますし、ほかの調査ではバイリンガルを目指すための言語習得の臨界期は5歳〜6歳という結果が出たこともありました。

このように、調査・研究によって言語習得の年齢限界は異なる結果になっており、学者によっても意見が分かれているため、明確な年齢限界は存在しないと考えられます。

②英語習得の年齢要因に関する論文のグラフを紹介

英語学習を始めた時期は色ごとにそれぞれ、赤色:5歳未満・黄色:10歳未満・緑色:20歳未満・青色:20歳以上。そのうち上位1/4の成績を収めた上位者のグラフ(引用:MIT Scientists prove adults learn language to fluency nearly as well as children)

縦軸は点数を表しており、9割を超えるとネイティブレベルと判断でき、横軸は英語学習を始めてからの年数を表しています。

どの年齢でも8年ほど英語を学習することでネイティブレベルに達することはできますが、英語学習を始める年齢が低いほど最高到達点は高くなります。

つまり、どの年齢から英語学習を始めてもネイティブレベルまで習得することは可能ですが、年齢が低い段階から英語を学び始めたほうが習得率は高くなるのです。

(参照:MIT Scientists prove adults learn language to fluency nearly as well as children)

③ネイティブレベルになるためには幼少期から英語に触れることが大切

お茶の水女子大学が発表した論文によると、長期的に第二言語学習をするうえで「子どもが第二言語を覚えるのがうまい」という意見を完全否定する内容はありません。

つまり、どの学者の見解でも「幼少期は英語学習に向いている時期」ということになるため、子供のころから学ぶに越したことはないという考えが一般的なのです。

(参照:お茶の水女子大学「第二言語習得における臨界期仮説・年齢要因」)

英語習得における「臨界期仮説」とは?

英語習得において議論される「臨界期仮説」について詳しく紹介します。

①臨界期(敏感期)とは?

臨界期(敏感期)とは?

英語習得における臨界期(敏感期)とは、英語を習得するために最適な時期・期間のことを指します。

②臨界期仮説とは?

臨界期仮説とは?

英語学習における臨界期仮説とは、臨界期を過ぎてしまうと英語などの第二言語を習得できないという考え方です。

臨界期仮説では、語学習得の年齢限界は「12歳〜13歳の思春期」とされることもあれば、「脳の95%ほどが完成する5歳〜6歳」と言われることもあります。

つまり、臨界期仮説では言語習得の年齢限界について学者によって異なるのです。

(参照:大妻女子大学英語教育研究所「24号(2022年冬号)第二言語習得における臨界期研究」)

③臨界期仮説の提唱者は誰?

臨界期仮説の提唱者は、言語学者・神経学者であるエリック・レネバーグです。

エリック・レネバーグは1975年に亡くなっていますが、言語習得や認知心理学の先駆者として、言語習得についても当時先端の研究を行っていました。

ポイント

エリック・レネバーグが1967年に出版した「Biological Foundations of Language. 」において、臨界期仮説が提唱されました。

④臨界期仮説は信じるべきなのか?

臨界期仮説はあくまで「仮説」ですので、科学的根拠はなく学者によっても意見が異なるものですので、完全に信じ切るべきではありません。

多くの学者の間では、母語話者と同程度の第二言語能力を身につけるためには、「なるべく早い時期から学習を始めるべき」という意見は一致していますが、年齢限界については意見が大きく異なります。

英語習得の年齢限界に関するよくある質問

英語習得の年齢限界に関するよくある質問をQ&A形式で紹介します。

脳科学的に英語習得の年齢に限界はありますか?

人間の脳は5歳までに80%、6歳までに90%〜95%が完成されると言われているため、脳科学的には6歳までに英語学習を始めることが効果的だと言われています。

しかし、6歳を超えてからの学習が効果がないというわけではないため、6歳が年齢限界というわけではありません。

子どもの英語学習は何歳から始めるべきですか?

先ほどもお伝えしたとおり、臨界期仮説による年齢限界を気にする必要はありませんが、ネイティブレベルまで英語力を上達させたいのであれば、5歳〜6歳までに学び始めることが理想とされています。

もちろん、6歳を過ぎても英語を上達させることは十分可能ですが、習得しやすいという観点では6歳までに始めることがおすすめです。

子どもの英語学習はどのようにするべきですか?

子どもの英語学習は、まず楽しんで学べる環境を作ることです。

子どもの年齢に合わせて、スポーツやゲームと一緒に英語を勉強したり、アニメや映画などで英語を学ぶこともおすすめです。

座学だけでは生きた英語を学ぶことが難しいですし、何より子どもの学習意欲が下がってしまうため、子どもの興味関心を見ながら学習方法を模索するといいでしょう。

英語脳を作るためには何歳までに英語を学び始めるべきですか?

英語脳とは、英語を日本語に変換せずに理解できる能力のことです。

脳が完成してから英語脳にすることは非常に難しいため、基本的には脳が完成する5歳〜6歳までに英語を学び始める必要があり、年齢が低いほど英語脳は構成されやすいと言われています。

まとめ|英語学習に年齢限界はないが子どものころから始めるのがベスト!

本記事では、英語習得の年齢限界や臨界期仮説、年齢要因などについて詳しく解説しました。

臨界期仮説はあくまで仮説ですし、英語学習に年齢限界はありませんが、幼少期から英語を学ぶことで高い英語力を身に付けられるのは間違いありません。

現在はオンラインスクールや英会話教室などで子どもが英語を学べる環境も整っていますし、YouTubeやアニメなども子ども向けの英語コンテンツも充実しています。

ぜひ本記事を参考にして、臨界期仮説にとらわれずに英語学習を始めてみてはいかがでしょうか。

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